------- 近江物産のスパイラルパワー ------
近江物産では、高度循環型社会づくりに貢献したいとの思いから、現在プラスチックマテリアルリサイクルに取り組んでいます。日本を私たちの技術で「資源大国」に変える・・・これが、循環型社会への入り口だと考えています。
これからも長年積み重ねてきた実績や人材・ノウハウを最大限に活用し、お客様に「価値ある材料」を提供できるよう研究開発を重ねていきます。

チャレンジする事を最大の武器とする企業こそ
変化し続ける企業
変化し続ける人こそ社会に貢献できる人

弊社は株式会社GSIクレオス社様の基、社会インフラ向け機材の再生プラスチックの機能回復を目的とした研究開発事業を開始します。

再⽣プラスチックの機能回復を⽬的とした研究開発事業の開始について

株式会社GSIクレオス(東京都港区/代表取締役 社⻑執⾏役員 吉永直明、以下 当社)は、このたび当社独⾃構造のカップ積層型カーボンナノチューブ(注   1、以下    CSCNT)を⽤いて、⻑期屋外暴露後の使⽤済み⾼機能プラスチックの各種機能を回復させる研究開発事業を開始いたします。また本研究開発提案は環境省「令和 5 年度 脱炭素型循環経済システム構築促進事業」のうち、「②プラスチック等のリサイクルプロセス構築及び省 CO2 化実証事業」(注 2)に採択され、環境省から 3 年間の⽀援を受け実施することとなりましたので、お知らせいたします。

当社では CSCNT を⽤いたバージン樹脂の⾼機能化だけでなく、使⽤済みリサイクル樹脂の物性回復を⽬的とした要素研究を⻑年続けてきました。この知⾒を活かし、本研究開発事業では、社会インフラを⽀える   最重要部材の⼀つである機能性樹脂を⽤いた電気設備資材(以下     電材)の⻑期暴露後の各種機能回復に取り組み、⼤規模な社会実装を⽬指します。

また、この研究開発では、国内電材トップメーカーである⼤東電材株式会社(⼤阪府吹⽥市/代表取締役社⻑⼟⽥⾼志、以下     ⼤東電材)と、⼤⼿リサイクル事業社の株式会社近江物産(滋賀県栗東市/代表取締役社⻑芝原誠⼆、以下 近江物産)の協⼒を得て、循環型経済の実現を図ってまいります。例えば、⼤東電材では電材⽤にカスタマイズされた各種試験法を⽤いて、当社が複合化した再⽣樹脂の評価を実施し、当社にフィード バックします。また近江物産では、劣化した使⽤済み⾼機能樹脂の洗浄・粉砕処理をラボベースで⾏い、当社に提供するだけでなく、将来の処理量増⼤を念頭に置いた処理法の検討も⾏います。

【本研究開発事業の背景】

地球環境への負荷低減の観点から、世界的に使⽤済みプラスチックの再利⽤が求められていますが、⻑期にわたり屋外に暴露されたプラスチックは⼒学的物性や各種機能の低下が著しく、その再利⽤は極めて困難とされています。なかでも社会の基礎インフラである電⼒・通信・鉄道・ガスなどの送電網に⽤いられる 電材向けの樹脂は、⻑期間にわたる⾼い⼒学的物性と共に、絶縁性・耐電圧性・難燃性などの機能性においても極めて要求性能⽔準が⾼いため、再⽣樹脂製電材の社会実装を進めるためには、⻑期暴露により低下した樹脂の⼒学的物性と各種機能性の回復が必要とされています。

    当社は⻑年にわたり CSCNT を⽤いた複合材の研究開発とその社会実装に成功してきましたが、今般、社会的に⾼まるニーズを背景に、極めて⾼難度の技術開発が必要とされる⻑期暴露後の⾼機能樹脂の各種機能回復に取り組むことといたしました。

【研究概要】

本研究開発事業は、インフラ向け電材に使⽤される特殊ポリエチレン(PE)に対し、以下の 4 項⽬の実現を

⽬指して実施されます。

  1. 劣化した再⽣ PE の⼒学的物性の回復

CSCNT 添加により⼒学的物性を回復させる

  1. 劣化した再⽣ PE の機能性の回復

CSCNT を添加により絶縁性、耐 UV 特性、耐電圧性、難燃性などの機能性を回復させる

  1. 再⽣ PE を更に再利⽤して再⽣回数を増加

CSCNT 充填により再⽣回数に関わらず⼒学的物性、機能性を必要⽔準に回復させる

  1. コスト・CO2 低減

再⽣、再再⽣ PE 使⽤量 100%を達成し、総コストと CO2 排出量を低下させる

【本研究の波及効果】

本研究事業は、要求性能の⾼い社会インフラ向けの電材に使⽤された⾼機能樹脂の再⽣を試みると同時に、同電材における再⽣材、再再⽣材の使⽤とその拡⼤という⽔平リサイクルの実現を⽬標としており、出⼝と循環領域を明確にした研究開発事業です。

この研究開発事業終了後には、⼤東電材とそのユーザーである電⼒、通信、鉄道、ガスなど⽇本を代表するインフラ企業と共に国内での⼤規模な実証実験を実施し、2029    年を⽬標に社会実装を開始する計画です。最終的には、電材向け特殊樹脂製品全量について、2030 年代前半を⽬途に再⽣樹脂 100%への置き換えを⽬指しており、社会への波及効果は極めて⼤きい開発事業といえます。

(注 1)カップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)

CSCNT は学術的に「切頭円錐形炭素網積層構造炭素繊維」(右図参照)と呼ばれ、CNT の⼀種として分類されている、当社が独⾃に展開するカーボンナノチューブです。

(注 2) 環境省「令和 5 年度 脱炭素型循環経済システム構築促進事業」事業概要:https://www.env.go.jp/press/press_01282.html

2023 年 12 ⽉ 6 ⽇〜8 ⽇に開催されたエコプロ展 https://messe.nikkei.co.jp/eco-pro/ における環境省配布資料「令和 5 年度 脱炭素型循環経済システム構築促進事業 事業取組紹介」にて、当社は委託事業企業として公表されました。

以 上

<本件に関するお問い合わせ>

株式会社GSIクレオス 経営企画部 企画広報課 TEL:03-5418-2122 https://www.gsi.co.jp/ja/index.html